ばね指とは

腱鞘炎の一つにばね指というものがあります。別名、弾発指と言われ、手掌側の指の付け根にある関節の屈筋腱の肥大・硬化や腱鞘部の肥厚・狭窄により指を曲げた状態から伸ばすと弾発(引っかかるような)現象が生じることです。

原因

指を曲げるには屈筋腱という指先から前腕まで通る筋肉に力(収縮)が入ることで可能となります。屈筋腱の周りには腱鞘というトンネルがあり、屈筋腱の浮き上がりを防ぐことにより効率的に指へ力を伝えることが可能となります。しかし、手指の酷使に伴い、屈筋腱と腱鞘、とくに負荷のかかりやすいA1腱鞘の間に炎症が起こり、疼痛を引き起こします。初期では弾発現象は見られないことが多いが、重症になると指が伸びなくなってしまうことがあります。好発として、更年期(40~60歳代)の女性に多く妊娠中や授乳中の女性にもみられることがあります。また、部位では母指(33%)が最も多く、次いで薬指(27%)、中指に発症しやすいと言われています。

引用:整形外科看護 2015 vol.20 no.12

症状

・指のつけ根を押すと痛い、腫れている、熱感がある
・運動時に痛みがある
・朝方に症状が強くなる
・ばね現象がある
・運動が困難

要注意な既往

・糖尿病
・関節リウマチ
・人工透析
・その他:ホルモンバランスの乱れ

記事執筆者
院長 前田真吾

六本木整形外科・内科クリニック

院長 前田真吾

日本整形外科学会認定 専門医