関節痛

主な疾患

リウマチとは

リウマチとは、膠原病といういくつかの疾患(関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、強皮症)をまとめた総称の一部の疾患のことを指します。膠原病は自己免疫疾患とも言います。本来なら免疫機能は外部から身体の中に入ってきた悪い菌をやっつける役割をしますが、この免疫が異常をきたし、自分自身を攻撃してしまいます。攻撃する部位によってさまざまな疾患があり、その中で関節を攻撃するのが関節リウマチです。膠原病の中でも多い割合を占めるのが関節リウマチになります。
当院では、関節リウマチの治療を主に扱います。その他膠原病の疾患については、診察を行い適切な治療を行える医療機関をご紹介させていただきます。大半の患者様が手のこわばり、手の痛み(腱鞘炎も多いです)で来院することが多く見られます。リウマチかもと感じた時に来院いただければ、適切な治療を提案いたします。

関節リウマチ

関節リウマチとは、関節にある滑膜が炎症を起こし、軟骨や骨が破壊されて、放っておくと関節が変形し充分に機能しなくなってしまう病気です。 腫れや激しい痛みを伴い、関節を動かさなくても痛みが生じるのが、他の関節の病気と異なる点です。 朝のこわばりも特徴的で、起床後、手を握れなかったり、衣服の着脱などの朝の身支度が困難になるなど生活に支障をきたすこともあります。

関節リウマチでの関節の腫れと痛みは、免疫の働きに異常が生じたために起きると考えられています。 免疫は、外部から体内に侵入してきた細菌やウイルスなどを攻撃してそれらを排除する働きを担っていますが、免疫に異常が生じると、誤って自分自身の細胞や組織を攻撃してしまうことがあります。
発症のピークは30~50歳代で、男性よりも女性の方が多く発症しています。また、60歳以降に発症する方も少なくありません。 関節リウマチは、早期に発見して適切な治療を行えば、症状をコントロールして関節破壊が進行するのを防ぐことができます。関節リウマチではないかと思うことがありましたら、早めにご相談ください。

リウマチのサイン

リウマチの症状は、朝起きてからすぐが最も出やすく、日中や夜は落ち着くのが特徴です。 朝の身支度や朝食の準備などは初期症状に気づきやすい場面です。リウマチは早めに治療を開始することが大切です。朝、下記のような症状をお感じた場合には、早めにご相談ください。

  • 手や足、膝などの関節が痛む
  • 手、足が動かしづらい
  • 服のボタン掛け外しがしにくい
  • ドアノブが回しにくい
  • 靴紐やリボンなどを結びにくい

リウマチの治療について

初診
診断
血液検査の検査結果が1週間ほどで出ますので、それをもとに診断します。この段階で、正確な病名がわかりますので、治療方針を決めていきます。
治療
治療を開始します。以前は症状のコントロールも難しい病気でしたが、現在は薬物療法が劇的な進化を遂げ、コントロールができる疾患となってきました。お仕事やプライベート生活も含めて治療方針を決めていきましょう。
通院
通院頻度は初めは2週間に1度ほど。慣れてきたら1か月に1度の通院で治療を進めていきます。最終的には定期的な血液検査も行い、よりより治療方針を見つけていきながら、リウマチのコントロールを行います。

関節エコー(超音波検査)でリウマチを早期に診断できます

リウマチは関節を破壊する病気ですが、レントゲンで関節の破壊を認めてから診断するのでは早期発見にならず、リウマチが進行してしまいます。
「関節エコー」を行うことによって、関節が破壊する前のリウマチを早期診断することが可能になりました。関節エコーでは、関節の腫れ、炎症や滑膜の肥厚をみることができ、関節が破壊する前のリウマチを診断できます。


関節エコーでリウマチを早期に発見できます


関節に特化した超音波機器で検査します

生物学的製剤の登場、リウマチは緩解する時代へ

一昔前のリウマチの治療は、鎮痛剤やステロイドによる対症療法しかなく、治らない、寝たきりになってしまう、と言われていました。しかしながらここ10年で「生物学的製剤」の登場により、痛みをとるだけではなく、緩解(治る)する病気となりました。「生物学的製剤」は、自分の体を攻撃してしまっている免疫細胞を落ち着かせ、関節の破壊を防ぐことができます。

記事執筆者
院長 前田真吾

六本木整形外科・内科クリニック

院長 前田真吾

日本整形外科学会認定 専門医